Date :
2016/04/10

Category :
General

Posted by :
Maria


東京の桜の木は  眩い緑色に移り変わりはじめました。

皐月を迎えれば いよいよ田植の季節です。

 

古代より、日本の一年がこの田植から本格的に動き出しますことは、

多くの方が知るところでしょう。

 

今日はこのことについて、

著書『皇室に学ぶプリンセスマナー』(大和書房・2007年刊)

から抜粋してお届けしたいと存じます。

 

長くなりますが、お時間のございます折にでも

お読み頂けましたら幸いに存じます。

 

<以下、『皇室に学ぶプリンセスマナー』64~67ページを要約します>

 

皇居には広さ230平方メートルの水田があります。

この水田で、天皇陛下は毎年5月になると田植えをなさり、秋に稲刈りをなさいます。

刈り取られた稲は、稲穂のついたまま保存され、9月に行われる伊勢神宮での神嘗祭で神殿に供えられるほか、11月に皇居の宮中三殿で行われる新嘗祭で神嘉殿の神前に供えられます。

 

天皇陛下がこのように御自ら田植と収穫をなさる背景には、

「斎庭の神勅(ユニワノシンチョク)という、天照大神との御約束事があると伝えられております。

 

「神勅」とは、天皇家の始祖とされる天照大神が、孫のニニギノミコトに授けたお告げのことです。

神勅は三つあり、それを「三大神勅」いい、「斎庭の神勅」はそのひとつです。

 

天照大神は、平和な国をつくることを目的として 孫のニニギノミコトを地上に降ろしますが(天孫降臨)、

この時に、ニニギノミコトに稲種を渡し、このようにお伝えになりました。

「この稲を自分自ら植え、育て、収穫をして、国中の人々に分け与えなさい。そして、人民(オオミタカラ)の生活を守り、国の平和を守りなさい。それが、王たる者の務めです」

 

ニニギノミコトはこの約束を守り、自ら田植をし、稲刈りをなさいました。そして、確かに約束を守り、自ら働き人民を飢えさせずにいることを天上の天照大神にご報告いたしますために、

収穫した稲の実りをお供えし祀りました。

 

この祭りごとは、やがて「政(マツリゴト)」つまり政治となり、今日に至ります。

 

さて、このような神話が作られた目的には、天皇家を中心に据えた大和朝廷づくりを行うなどの政治的背景や、

外来の仏教と、仏教伝来以前からある日本の固有信仰とを区別し残すなどの目的がありましたが、

いずれにいたしましても、

神話に書かれた日本の天皇家の基本は、「自ら働いて人民を養い、国を繁栄へと導くこと」であり、

それが、日本の政治と帝王学の基本にもなっています。

 

ところで、日本最古の歌集『万葉集』巻第17には、「天皇の  食す国なれば 命持ち・・・(すめろきの をすくになれば みこともち・・・)」とあります。

 日本は「食す国(ヲスクニ)」と謳われているのです。

 

昭和の初期までの日本の家庭教育の基本は、食事を通して親が子に「斎庭の神勅」の精神(自ら働き人々の役に立つ人間になること・すべては自然と人間との共同作業であること等)を教え、「あなたもそのような立派な人間になりましょうね」と「教(ヲシ)える」ことにありました。つまり、「食(ヲス)」と「教しえ(ヲシヘ)」は一体であったのです。

 

余談ながら、ご飯のことを「飯(メシ)」と申しますが、それは、収穫したお米を調理し、まず神様にお供えして「召し(メシ)」上がっていただくことから、「メシ」といわれるようになったともいわれています。

 

昨今、食育という言葉のもとに食事の大切さが見直されていますが、日本は昔から、素晴らしい食育文化をもっているといえるのではないでしょうか。

 

以上、著書より要約してしたためさせていただきました。

 

自らがお手本になって働くという心のありかたと行動は、まさしくノブレス・オブリージュそのものであり、

紳士・淑女としての姿。

現代に生きる私たちにも、

世界に通用する品性とは何かを教えてくれるものと存じております。

 

説明不足の箇所もいくつかございますが、それにつきましてはまた、

レッスンやセミナーなどでお話をさせて頂きたくお許しくださいませ。

 

本日もお目通し賜りまして、誠に有難う存じました。

 

どうぞ爽やかな毎日をお過ごし遊ばされますよう

心からお祈り申し上げております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 

株式会社ノーブル 代表取締役
一般社団法人
日本プロトコール&マナーズ協会 理事長
ノブレス・オブリージュアカデミー校長
他歴任